山口県・福岡県・熊本県のセールスマンのグループから、
商売の秘訣について、講演をして欲しいと依頼された。
僕は「秘訣など考えたことがない、その時々、自分が当たり前と
思ったことをしているだけ」とお断りした。
しかし彼らは「絶対に秘訣があるはず・隠している・出し惜しみ・
もったいぶっている」など挑発してきた。
「いつ何時誰の挑戦でも受ける、IT業界のアントニオ猪木」と
呼ばれたことのある僕は、講演という一方的に話すルールではなく、
みんなで食事でもしながら話し合う、座談会ルールで、彼らの挑発に、
乗ることにした。
場所は東京と思い込み、疑いもしなかったので、確認もしなかった。
案内が届き、九州2泊3日のハードスケジュールを知った時は、
もう時すでに遅し。断りきれなくなっていた。
指定された時間に福岡空港に降り立った。
迎えに来ていた、山口県の方々の車に乗り込み、会場へ向けて出発。
高速道路を走ること2時間、熊本県の煙の立ち上る阿蘇山
中岳火口を見物し、阿蘇山中にある江戸時代から続く一軒宿、
山口旅館に到着。(何故、熊本空港で待合せしなかったのか疑問に思った)
とりあえず温泉にと、滝の真横にある混浴露天風呂にいったが、
座談会に来た男性ばっかりだった。
湯の花が沢山浮いている、古く情緒ある温泉は最高だった。
遂に宴席&座談会が始まった。
彼らは僕のことを美化しすぎているみたいで、否定するのだが信じてもらえない。
何度言っても解かってもらえないので、肯定することにした。
不思議なことに、肯定すると彼らは喜び、場が盛り上がる。
彼らの笑顔が、「IT業界のナイチンゲール」と呼ばれたことのある僕の、
奉仕の精神に火をつけた。
彼らの僕に対する過度の美化を、さらに上回る大風呂敷を広げて魅せたのだ。
座談会は興奮の坩堝と化し、無事お開きとなった。
就寝。
月曜に続く。


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