昨日、「萬蔵」の夢を見た話を書いたので、
今日は5年半前、「萬蔵」オープン当初の話をしましょう。
萬蔵がオープンした当初、皆が慣れていない上、
アルバイトの人も少なく、店長から「どうしようか」と相談を受けた。
「どうしよう」と言われても、どうしようもない。
仕方がないので、僕が夕方5時半から大学生やフリーターの
アルバイトに混じって、ハッピを着てホールを手伝うことにした。
お客さんに注文を取りに行くと、20歳前後のホール店員の中で、
一人だけ老けている僕のことが目立ったらしく、
「この仕事だけで生計をたてているのか?」と質問された。
ハッピを着て、大学生に指図されている自分を
「親会社の社長です」とも言えないので、「そうです」と笑顔で答えると、
気の毒そうな目で、うなずかれた。
別の席に、注文を取りに行くと、IT業の重要な取引先の方が、
噂を聞きつけ、団体で来てくれていた。
気付かれぬよう振舞ったが、結局バレてしまい、恥ずかしい思いもした。
夜8時になると、ECSのK崎社長も応援に駆けつけ、スーツ姿のまま
お客さんの接客をした。
夜11時30分、レジ係も慣れていなかったので、レジ前で数組の
お客さんが並んでいた。
最終列車が気になるお客さん達は、スーツを着ているK崎社長を
店の責任者だと思い込み、「早くしろ!」と怒鳴りつけていた。
僕はハッピを着ていてハッピーと思った。
こんなことが、アルバイトの体制が整うまで、2週間続いた。


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